ばばぶろぐ

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辻村深月「傲慢と善良」感想

※おおいにネタバレ


高慢と偏見」にひっかけたタイトル。
前評判通り、えぐられるえぐられる……!
これだけ読む方の内面に突き刺さるのだから、作者側も
自分の心理を深いところからさらけ出す感じで書いているんだろうなと思われ、
辻村深月恐るべし、と改めて思うのだった。
かがみの孤城」との違いを見ても、幅広い
他の本も読んでみなくてはいけないな。

恐らく、真実の母親がきっつい……というあたりまでは
読者全員が一致しているものと思われるが、
そこから登場人物それぞれの心理が描かれていくにつれて
主人公が苦手、ヒロインが苦手、主人公の友人が苦手、等々
読み手の気持ちも分かれていくのではないだろうか。
Amazonを見てみたのだが、まちまちで面白かった。

私は、真実と書いて「マミ」と読むヒロインが一番無理なタイプ。
婚約者の架「カケル」とその友人たちの方も、実年齢と比べてやってることが幼なすぎる感じはあるけれども。
いつも友人同士でつるんでいて、異物(部外者)を受け付けない感じが
大学卒業から5年程度のアラサーならまだ納得できる(?)のだが、
アラフォーとするとちょっとねえ。

ラストは、落としどころとしてはそうなるかというところだが、
結婚を決断させるためにストーカーをでっちあげ、
それがバレたら誰にも連絡せず姿を消すような人間を信頼し、愛して一生を共にするの???
というのが自分にはまったく理解できず、何とももやもや。
それが「大恋愛」なんですかね……いやーわからん。