ばばぶろぐ

読書感想を綴ったり趣味の福袋を楽しんだりするブログ。 まとめサイト等への転載はお断りします。

映画「マッチング」感想

つい先日まで、Snow Manって何人いるのかも知らなかったのですが、

忘れもしない二週間前、軽率にLOVE TRIGGERのMVを見てしまった結果、

気が付いたら普段なら絶対観ないタイプの映画を、封切り後即観に行っていました。

 

というわけで、Snow Man佐久間大介さんが出演された映画、「マッチング」を観てきました。

ミステリは好きですがホラーっぽいのは苦手なので普段なら選択肢にも入らないやつ。

……が、思ったほど怖くなかったかも。

ややグロ目の連続殺人が結構ストーリーの真ん中近くにあったので、

猟奇殺人よく見る系の自分としてはどっちかというと得意分野だったのもあります。

ただ中盤の殺人シーン、被害者の女性の悲鳴はガチ過ぎて怖かった……。

犯人当て的な意味では展開は基本的に予想の域を出ないけど、

演者さんの狂気っぷりがよかったので満足度は意外と高めでした。

正直佐久間くんを観に行った身だけど、

映画としても(失礼な言い方ながら)思ったより面白かったです。

 

以下雑感。

・式場の制服、ちょっと太って見える?

・仕事の打ち合わせの席(しかも他社との)で延々私語すんな。

・警察沙汰になったのがわかってる奴をそのままアプリに放置すんな。運営仕事しろ!

・話の展開上仕方ないかもしれんが、アンインストールするなりブロック機能するなりしないのはさすがに不自然な気も。

(トム関係を深めていくうちに凶器を露わにしていく感じかと思いきや、

登場シーンから明らかにヤバいため逆に親切。

・でも正直、そこまでストーカーっぽいことしてない気がしてくる。

・というかかわいい。

・佐久間くんは、白に近い髪色が儚げな雰囲気に一役買っていてよかった。

夢のことはちょっと好きになる。

・かわいいからね。

・で、連続殺人の動機はなんだったのだろうか。

映画「キングダム 運命の炎」感想

すっかり書くのを忘れていたが、備忘のため何とか記憶をひねり出して記録。
前半が、杏演じる紫夏との思い出を描く吉沢過去編、
後半は主人公の信が活躍する合戦シーンという構成で、
ラストにいかにもヤバい吉川晃司が出てきて次回へ続く~、という感じ。
単品で見ると尻切れトンボだし、正直わたしゃ次が来る前に話を忘れてしまうよ……助けて。

まあしかし、今回はとにかく大沢たかお圧勝!だったと思う。
キングダムは漫画大して読んでない状態で観てきてて、
初見の時は衝撃というかちょっと笑っちゃったんだけど、
その王騎スタイルがもう格好良く見えるの地味に凄くない?凄いよね。
「ンフ!」とか笑ってるのになぜ格好良いんだ。

敵方将軍のうち、今回目立った出番があったのはラブリンのみで
楽しみにしていた山田裕貴は顔見せ程度だったのは残念。
長澤まさみ様の登場がなかったのも大変残念。

 

……しかし、規模からいって代表作だと思うんだけど、
このシリーズ見てて山﨑賢人の演技が上手いと思ったことないんだ。
何かの感性が欠けているのかもしらん。

アレン・エスケンス「償いの雪が降る」感想

なんかちょっと素敵な感じのタイトルの本。
昔書評で見かけたことがあったのを思い出し、今回読んでみた。

誰か身近な人の伝記を書こう!という大学の課題に対し、
まともな大人が身近にいない主人公のジョーは、
介護施設に赴いて手頃な(という単語は不適当だが、実際そんな感じ)高齢者を探す。
紹介されたのが、末期がんを患っているカール。
彼は少女に対する暴行殺人の罪で有罪となり服役していたが、余命いくばくもないため施設に移っていた。
カールの話を聞くうち事件に疑問を抱いたジョーは、真相を探る。
……というような、まあ目新しくもないストーリー。

タイトル周りのエピソードに少しだけしんみりとするものの、
正直に言えば期待したほどではなかったという感想。

主人公に関しては、どういうわけか文庫解説でやたらと褒め称えられていたが、
自閉症の弟を大切に思っているところには好感を抱いたものの、特段魅力的とも思わなかった。
あと何より、母親(毒親)に特段罰が下らないのがちょっと嫌だったな。

映画「ゴールデンカムイ」感想

御多分に漏れず「金カム実写化ぁ!?」と思っていたのだが、

各所で手のひらが返されまくっていると聞いて行ってきた。

確かにマイナス点がなかったかもしれない!

何度かある鍋囲むシーンの再現度(顔芸含む)に大変満足で、

この先あるはずのアシリパさんのチラッチラッが楽しみ。

 

以下雑感。

・私が世界一イケボだと思っている津田さんの低音ナレーションで最高の滑り出し。

・色白のアシリパさんのほっぺたが寒さでずっと赤くて可愛い。

・尾形の登場シーンが原作と完全に一致。見てる人全員漫画のシーンが頭に浮かんだと思う。

舘ひろしは顔の皺まで格好いい、というより皺が格好いい。

・言うて山﨑賢人は山﨑賢人だったと思うけども、身体は仕上がってた。

風呂シーンしか見せ場がなくてもったいない。。

(・予告で流れた「陰陽師0」も山﨑賢人で、どんだけだよと思った。)

矢本悠馬って小柄なイメージがあって、キャスト発表時は何か違う?と思ったけどそんなことは全然なかった。背筋も仕上がってた。

・あの(※千秋先輩)玉木宏のこの役が来たか……!と期待していた鶴見中尉、実にいい感じにキレてる。

・二階堂が本人。

・谷垣ニシパがどれくらいムッワァしているかはまだ未知数だが、着衣段階ではほぼ100点では。

・金カムの好きなキャラで3本の指に入る牛島さんは、

演者さん183㎝あるらしいのに原作と比べてちょっと小柄に思えたかも。

・鍋エンドロールの後、曲が流れている間に結構大勢帰った。

私も正直帰りたかったが席が真ん中だったので残っていたところラストに少し映像あり。勿体ないかも。

映画「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」感想

鬼太郎は子供の頃(まだ猫娘が美少女化していなかったころ)結構好きで見ていた思い出。

正直映画になっているのも知らなかったのだが、先日Xで、

漫画家さんがこの映画のグッズを作って売ろうとしたとかで炎上していたのを見かけ、

そんな理性を失う程ハマってしまったのだな、と思って興味が出て行ってきた。

 

主人公は鬼太郎の父。つまり後の目玉おやじであるわけだが、まだ肉体がある。愛称(?)は「ゲゲ郎」。

そしてこの鬼太郎父、ビジュアルがよい。

いや、鬼太郎同様に白い丸の中に黒い点があるだけのきわめてシンプルな目をしていて、

目玉おやじになるときゅるんとした瞳をしているが、頭蓋骨に収まると何故か地味に?)

いわゆるイケメンではない筈なのだが、

目にかかる銀だか白だかの髪にスタイルはよく長身、着物をまとい、

戦闘もバリバリこなせる肉体能力を持ちながらひょうひょうとしていてちょっとすっとぼけた雰囲気、

生き別れになった妻をずっと探している一途さ、

そして私が子供のころから人気声優として鳴らしていた関俊彦さんの声が何故か彼をイケメンに見せるのである。

 

ストーリーとしては、戦争のどさくさに紛れて巨万の富を築いた一族が支配する閉ざされた村(当然因習にとらわれている)で

グロめの連続殺人が起こるという、横溝正史か?ってな展開に心躍った。金田一出てきそうなんだもの。

もちろん鬼太郎なので、その後の展開はアリバイがどうとかいう謎解きではないが、それも大変結構。

全方面に切なさが残る終わり方も、とてもよかった。

 

しかし時弥くん、ヤバ過ぎるドクズしかいない村でどうしてあんな天真爛漫なよい子が育ったのだろう……。

帰ってきて思い返していたらしみじみ疑問に思えてきた。

逢坂冬馬「同志少女よ、敵を撃て」感想(第11回アガサ・クリスティー賞受賞、2022年本屋大賞受賞)

ウクライナ侵攻の影響もあってか)昨年一番売れた本だそうで、
50万部を突破しているという大ヒット作。


何度も行われる戦闘シーンの描写も、しっかり読めるし、

自分が言うのもおこがましいが実によく出来た作品なのだが、

何がびっくりってこれがデビュー作なのである。

 

もっとエンタメ寄りの本なのかと思っていたのもあり、

何となく、タイトルがピンと来ないな?というだけの理由でスルーしそうになっていたが、

危なかった……読んでよかった。

 

主人公のセラフィマは、ドイツ軍により故郷の農村を襲われ、

親しんできた村人を惨殺され、凌辱され、母を殺される。

母親の死体を焼き払ってセラフィマを打ちのめし、狙撃兵へと育て上げるイリーナ。

同じくイリーナのもとで狙撃兵となるシャルロッタ、

そしてアヤ、ヤーナ、オリガ。

セラフィマの母を射殺したドイツの狙撃兵、イェーガー。

 

どのキャラクターも単なる賑やかし的脇役というのではなくて、

それぞれに信念をもって生き、戦いに臨んでいて、

それがセラフィマに少しずつ影響を与えていく。

 

ドイツ人(イェーガー)を、そしてイリーナを憎み、

彼らを殺すためだけに狙撃術を磨いていたセラフィマだが、

ロシア人もドイツ女性を戦利品として扱っていることを知り、

戦争が単純な善悪の図式によるものではなく、

戦争という場では"人間"はどこまでも残酷になり、

そこにドイツもロシアもないことを知る。。

 

ラスト、セラフィマが覚悟をもって捕虜となり乗り込むシーンからの

「やっぱそうなるよね」という予想していた展開と、

予想していた以上の驚愕の展開には目を見張るばかりだ。

 

特に好きなのはオリガとシャルロッタだったが、

占領下にあってドイツ兵と恋仲になるサンドラもキャラクターとしてとてもよかったと思う。

彼女の置かれた状況は、実際には上に書いたような単純な図式ではないのだが、

彼女のずるいところだったり強さだったり、

人間の感情のままならなさだったりが読んでいて印象深かった。

 

それにしても、これだけの大作を読んで、

こんな単語で評してよいのか躊躇われるところだが、

百合展開になろうとは思わなんだ。

まあしかし、戦争において男が女をどのように扱うのかを

目の当たりにしてきた彼女たちにとって、男と添い遂げようなんて発想は生まれようがないのかもしれず、

ある意味必然なのかもしれない。

相場英雄「アンダークラス」感想

 前作に続けて読んで改めて思ったが、なんか人間の描き方が単純ではないか?

被害者側は基本善良で、貧しい生まれながらたくましく這い上がろうとする人たち。

加害者側は悪辣で、他人を食い物にする下衆。

という単純極まりない構図。

良い人に見えたけどこんな一面が……みたいなのは一切なし。

経済小説」だから別に人物描写は良いんだ!ってこともないと思うが……(あるのか?)

あとこの手の小説では裏切ることが確定している女性秘書が、

基本有能な人の筈なのに中盤で妙にポンコツなのも、展開の都合って感じが強く釈然としない。

そして解説がまた……「里山資本主義」は読んでいないし、

この人の主張はよく知らないが、

とにかくアベノミクスにひとかたならぬ敵意を抱いていることはよくわかった。

前半は一応小説の話をしているが、

途中からどういうわけかアベノミクス批判をはじめ、

支持者は「知的アンダークラス(要確認)」だとか言い始めて驚愕。

別にどんな意見を持っていようとどうでもいいのだが、

人様の作品の解説ページを自分の意見を披露する場に使うな、と思うが。

解説者として最底辺のアンダークラスと言えそうだ。

樫山を紹介するのにわざわざ「30代独身女性」とかいうのもいかがなものか。