ばばぶろぐ

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アレン・エスケンス「償いの雪が降る」感想

なんかちょっと素敵な感じのタイトルの本。
昔書評で見かけたことがあったのを思い出し、今回読んでみた。

誰か身近な人の伝記を書こう!という大学の課題に対し、
まともな大人が身近にいない主人公のジョーは、
介護施設に赴いて手頃な(という単語は不適当だが、実際そんな感じ)高齢者を探す。
紹介されたのが、末期がんを患っているカール。
彼は少女に対する暴行殺人の罪で有罪となり服役していたが、余命いくばくもないため施設に移っていた。
カールの話を聞くうち事件に疑問を抱いたジョーは、真相を探る。
……というような、まあ目新しくもないストーリー。

タイトル周りのエピソードに少しだけしんみりとするものの、
正直に言えば期待したほどではなかったという感想。

主人公に関しては、どういうわけか文庫解説でやたらと褒め称えられていたが、
自閉症の弟を大切に思っているところには好感を抱いたものの、特段魅力的とも思わなかった。
あと何より、母親(毒親)に特段罰が下らないのがちょっと嫌だったな。