ばばぶろぐ

読書感想を綴ったり趣味の福袋を楽しんだりするブログ。 まとめサイト等への転載はお断りします。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

乙一「GOTH(僕の章、夜の章、モリノヨル)」感想

今回も叙述トリックもの。 なんて読むのかいまいちわかってなかったお名前は「おついち」さんと読むようだ。 このGOTHは、ライトノベルでミステリーを書いてみた、って感じの短編集だけれど、 叙述トリック云々っていうより、主人公の少年「僕」の不気味な感…

ジェフリー・ディーヴァー「ゴースト・スナイパー」感想

リンカーン・ライムシリーズ。 自分の問題でもあるのだが、シリーズを読んでいるうちに、 「つまり犯人だと目された奴は絶対犯人ではなくて、悪そうな奴が良い奴だ」ってことがもうわかっちゃっているから、 いまいち盛り上がれないのかもしれない……。 あと…

綾辻行人「十角館の殺人」感想

※激しいネタバレ成分を含みます。 叙述トリックとして有名な綾辻行人のデビュー作(!) ミステリ研究会の若者たちが孤島の十角館でバカンスを楽しもうとしたところ 「そして誰もいなくなった」ばりの殺人が次から次へと起きる! この本、ミス研だからという…

米澤穂信「Iの悲劇」感想

限界集落を舞台にした連作短編集。 もちろんエラリー・クイーン的な殺人が起こるわけではない。 限界集落ってことで、田舎ならではのどろどろした人間関係とか、 横溝正史っぽいおどろおどろしい何かとかを勝手にイメージしたけれど、これまたもちろん関係な…

倉知淳「星降り山荘の殺人」感想

※激しいネタバレ成分を含みます。 叙述トリックもの……という括りで探して読んだ本だけど、ちょっと種類が違う気もした。 彫刻のようなスーパーイケメン「スターウォッチャー」星園詩郎が探偵役っぽく進むんだけど、 解説によると「本書のメイントリックは、…

歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」感想

最近自分内ブームの叙述トリックもの。 ブームなだけに、有名どころからちょこちょこ読んでみているけれど、 中でも自分にはこれが一番面白かったように思う。 まったく予想もしていなかったから「ふぇっ!?」ってなったよ。ブラボー! 全然読んだこと作家…

ジェフリー・ディーヴァー「バーニング・ワイヤー」感想

これだけ長く続いているシリーズものを短期間に一気に読んでいる訳なので、 ある意味必然かもしれないが、 何となくマンネリ化を感じてちょっとダレてきてしまい、本作は読むのに時間がかかった。 久しぶりにデルレイが活躍する巻で、ローランド・ベルもウォ…

米澤穂信「満願」感想

NHKのミステリースペシャルでドラマ化されたのをうっかり中途半端に途中から観て以来 気になっていた米澤穂信の出世作(たぶん)。 「このミス」で一位をとってたのね。しらなかった。 ダークな読後感漂う短編集で、やっぱりこの人好きだなぁ、という気持ち…

ジェフリー・ディーヴァー「ソウル・コレクター」感想

いつも読み始める前に登場人物一覧を眺めるんだけど、そこで気付いたよね。「これ前に読んだわ」って。 すごくおもしろかったのにすっかり忘れてた。 本を読んでもすぐ内容を忘れてしまうのは何故なんだろう……(年齢以外で)。 あまりにもあっさり忘れてしま…

我孫子武丸「殺戮にいたる病」感想

グロ描写もある叙述トリックもの。 普通に小説として(サイコ・ホラー?)面白かったので、叙述トリックものとわかって読み始めたのにすっかり忘れていて、 種明かし部分では「えっ!」となった。 叙述トリックものって、やっぱりどれだけ気持ちよく騙される…

乾くるみ「イニシエーション・ラブ」感想

セカチューとかあのへんと似た感じ?と思い込んでいたが、 面白い叙述トリックものとして挙がっていたので読んでみた。 毎度のことながら、叙述トリックにはほぼ騙される自分である。 一読して意味が分からず、ネタバレを漁って、「はぁナルホド……!」とは思…

ジェフリー・ディーヴァー「ウォッチメイカー」感想

これが最高傑作って評価されてると思われるけど、個人的には特出して面白いというわけでもないような? 「コフィン・ダンサー」の方が好み。……多分、単にベルが格好良かったからかもしれない。 今作ではキャサリン・ダンスが登場したことと、 作品中では(実…

P.G. ウッドハウス「ジーヴズの事件簿 大胆不敵の巻」感想

各所でその名を聞いていたのでものすごく期待値が高く、 とても楽しみに読んだけれど、結局全体の80%ほど読み終えて「もういいかな~」となってしまった。 事件簿って言っても別に探偵ものじゃないわけで、 何かスリリングな事件が起こるのではなく、 語り…

三浦しをん「風が強く吹いている」感想

三浦しをんの描く箱根駅伝。 個性豊かでやたらキャラ立ちした面々が、 それぞれに悩みを抱えたりもしながら一つの目標に向かう、スポーツ部活物の王道って感じ。 自分の雑な語彙でいうと、「一般向けラノベ」かな。チア男子よりさらに一歩一般向けな感じ。 …

ジェフリー・ディーヴァー「12番目のカード」感想

リンカーン・ライムシリーズ、なんだけど、これはあまり面白くなかった……というか、 今まで読んだディーヴァーで一番つまらなかった気がする。 黒人の権利云々とか、正直そういう余計な要素は要らないんだよね。 もっとエンタメに振り切ってミステリを描いて…

ピーター・スワンソン「そしてミランダを殺す」感想

コロナが怖くて私的外出は控えてるので、読書が捗る日々。 これは、「超カッコイイ女殺し屋が出てくる」と勧められて、 女ボンドみたいなのを想像し(あれはスパイだけど)楽しみに読んだ本。 でも、勧めるにあたってネタバレを避けてくれたんだと思うけど、…

米澤穂信「真実の10メートル手前」感想

王とサーカスの主人公だった太刀洗万智の短編集。 といっても語り手は彼女ではないため、太刀洗の超切れ者クールビューティー感がアップしていた。 ……していたが、どうもいまいち自分好みではないキャラクターで入り込めず。 クールビューティーは大好きなの…

百田尚樹「永遠の0」感想

泣く気満々で読み始めたのに消化不良だったのは、 あふれ出る保守力(?)に気をとられたせいかな? 百田尚樹って、小林よしのりみたいに世に出てから 徐々ににじみ出るものが強くなった(※個人のイメージです)のかと思ってたけど、 違ったんだ!デビュー作…

舞城王太郎 「淵の王」感想

ホラーだっていうので小野不由美みたいなガチガチに怖いのを期待して 戦々恐々とページを繰ったが、個人的には拍子抜け。 多分、結局何なのかよくわからないままだから何にも怖くないのだろう。 私の理解力が及んでいないだけという気もするが、特に理解しよ…

ジェフリー・ディーヴァー「魔術師(イリュージョニスト)」感想

続けてリンカーン・ライムシリーズ。なんだけど…… 今回は、イリュージョンの技術があって鍵なんてなくてもピッキングは余裕、 すぐに他人に変装もできる等々、もはや何でもあり状態の犯人のインパクトで見せる一作。 面白くは読んだけど、内容はあまり記憶に…

佐々木譲「警官の条件」感想

「警官の血」の続編。※ネタバレ成分を含みます。 今作では和也目線だと行き過ぎた超人めいてた加賀谷の心中が語られるのだけれど、もうラストが切なすぎて……!! 売られて警官をやめされられた(何とか依願退職というかたち)加賀谷は、 それでも請われて再…