前作に続けて読んで改めて思ったが、なんか人間の描き方が単純ではないか?
被害者側は基本善良で、貧しい生まれながらたくましく這い上がろうとする人たち。
加害者側は悪辣で、他人を食い物にする下衆。
という単純極まりない構図。
良い人に見えたけどこんな一面が……みたいなのは一切なし。
「経済小説」だから別に人物描写は良いんだ!ってこともないと思うが……(あるのか?)
あとこの手の小説では裏切ることが確定している女性秘書が、
基本有能な人の筈なのに中盤で妙にポンコツなのも、展開の都合って感じが強く釈然としない。
そして解説がまた……「里山資本主義」は読んでいないし、
この人の主張はよく知らないが、
とにかくアベノミクスにひとかたならぬ敵意を抱いていることはよくわかった。
前半は一応小説の話をしているが、
途中からどういうわけかアベノミクス批判をはじめ、
支持者は「知的アンダークラス(要確認)」だとか言い始めて驚愕。
別にどんな意見を持っていようとどうでもいいのだが、
人様の作品の解説ページを自分の意見を披露する場に使うな、と思うが。
解説者として最底辺のアンダークラスと言えそうだ。
樫山を紹介するのにわざわざ「30代独身女性」とかいうのもいかがなものか。