ばばぶろぐ

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キャサリン・R・ハワード「56日間」感想

ナッシング・マンが面白かったので、同作者の評判の良いこれも読んでみた。

「56日前」偶然にスーパーで出会った男(オリヴァー)と女(キアラ)。
しかし時はコロナ禍、ロックダウンで外出や移動が制限されることとなり、
恋がはじまったばかりで一番楽しい時に会えないのは耐えがたく、
出会って間もない二人は同棲に踏み切る。
この二人の過ごした56日間が、それぞれの視点で描かれるラブストーリー。

……では勿論ない。
並行して描かれる「今日」には、集合住宅で男性の腐乱死体が発見されるのだ。
オリヴァーとキアラがそれぞれ何かを隠している中、
二人の56日間と捜査が進む今日が行ったりきたりして、視点も変わり時系列順でもないので
何度も「さっきどう書いてあったっけ?」と読み返しながら非常に楽しめた。
キアラ、そっちだったのか!としっかり騙されたのも小気味よく。

ただ帯の「慟哭の結末」はちょっと違う(笑)という感じ。
そんな誇大広告みたいな文句使わなくても十分面白いけどなぁ。