ナッシング・マンが面白かったので、同作者の評判の良いこれも読んでみた。 「56日前」偶然にスーパーで出会った男(オリヴァー)と女(キアラ)。 しかし時はコロナ禍、ロックダウンで外出や移動が制限されることとなり、 恋がはじまったばかりで一番楽しい時に会えないのは耐えがたく、 出会って間もない二人は同棲に踏み切る。 この二人の過ごした56日間が、それぞれの視点で描かれるラブストーリー。 ……では勿論ない。 並行して描かれる「今日」には、集合住宅で男性の腐乱死体が発見されるのだ。 オリヴァーとキアラがそれぞれ何かを隠している中、 二人の56日間と捜査が進む今日が行ったりきたりして、視点も変わり時系列順でもないので 何度も「さっきどう書いてあったっけ?」と読み返しながら非常に楽しめた。 キアラ、そっちだったのか!としっかり騙されたのも小気味よく。 ただ帯の「慟哭の結末」はちょっと違う(笑)という感じ。 そんな誇大広告みたいな文句使わなくても十分面白いけどなぁ。